フランス映画 Le Grand Bain(ル・グランバン) オヤジ軍団、哀愁のシンクロ

日本でも随分前にウォーターボーイズ という少年たちがシンクロナイズドスイミング(現在、正式にはアーティスティックスイミングと呼ぶらしい。)で青春する映画が流行っていたが、フランス版、男性シンクロ映画はそんなに爽やかじゃない!人生に失望しかけたオヤジの渾身の泳ぎに、観客が観たものとは、、、。

2018年10月に公開された、ジル・ルルーシュ監督の「ル・グラン・バン」が、フランス人の支持を得て、年末年始のハリウッド大作公開の波も潜り抜け、公開から3か月のロングラン上映中だ。

オヤジのシンクロスイミングというテーマが「何じゃそら?」と人々の気を引いたこともあるだろう。
そして俳優陣が異様に豪華なのだ。皆、どこかで見た顔!
有名なところではギョーム・カネなんかも泳いでいる(俳優、映画監督、女優マリオン・コティヤールのパートナー)。

(あらすじ)
主人公のオヤジ達は、それぞれ、失業中、会社が倒産寸前、家族問題、夢の名残を追い続ける、ほろ苦い状況を生きている。背景は違うが人生の壁にぶつかってくじけそうな主人公達が、夜な夜な集まるのは市民プールの男性シンクロ教室。
そんな彼らを教えるのは元メダリストの美しい女性コーチ。しかし彼女もまた、人生に愛に迷走中なのだった。
ある時、メンバーの一人がたまたまインターネットで「男性シンクロ世界大会」なるものを見つける。
メンバー達は「他にチームが居ないなら、俺たちがフランス代表だ!」と盛り上がり、参加することに。
時には、「男がシンクロなんて!」と、からかわれながら、本人たちも気分転換(現実逃避)程度に行っていたシンクロが、ここから本気度を増してゆく。中年のあらゆる哀愁、そして夢を巻き込み、オヤジたちの夢は叶うのか?!!

(感想)
良いと思う。ハートフル・コメディーという触れ込みで、良くも悪くも創造の範囲内を出ないが、映画館に行く人はそれを期待して観に行っているのだ。
奇をてらったというよりは、まず丁寧にオヤジ一人ひとりの悩みと行き詰まりを描いて、シンクロはそれを浄化させる役割を担っているという位置づけである。映像も美しく仕上がっている。
ただ、人物描写に力を入れすぎて、知らない間にオヤジ達のシンクロが「?!!」というぐらい上達している。
スポーツ、多分そんなに甘くないよ!
人物描写をせずにシンクロのみで受けを狙うよりは良いのかもしれないが、ほかのスポーツで良かったのかもしれない、、、と思う。その点が、若干物足りなかった。

おすすめ度 ★★★☆☆ (3/5) 

登場人物の中にフランス語が話せないインド人が居るのだが、チームに自然に溶け込み、よい味を出している。

日本での公開は未定。しかし「オヤジ・シンクロ」というテーマは私たち日本人の好物だと思うので、どこかの配給会社が目をつけてミニシアターで上映されるかもしれない。

追記: 日本公開決定。
2019年7月12日 より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて
邦題 – シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢
公式サイト
http://sinkorswim.jp/

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