デジョンに行ったら、Fallot(ファロ)のマスタードをたべよう!

ディジョンには美味しいものがたくさんあるが、風味豊かなマスタードは特に有名。今回はその中でも、伝統の製法を守って作られているファロのマスタードを紹介。ディジョンに行くとショップやスーパーでたくさん売られているので、是非ためしてみてほしい。

ファロのマスタード

ファロの誕生は1840年にディジョンの近郊の街、ボーヌでレオン・ブレ氏がマスタードと搾油工場を開いたことが始まり。その後1928年にブランド名にもなっているエドモンド・ファロ氏が工場を買い取り、今日に至るまで彼の家族が経営を引き継ぎながら伝統の味を守っている。

現在、ディジョンで昔ながらの製法を守ってマスタードを生産しているのはファロだけだ。ファロではマスタードシードを石臼で粉砕してマスタードを作っている。マスタード・シードは熱に弱く、熱されると風味を失ってしまうが、石臼を使うことによって粉砕時の温度の上昇を抑え、豊かな風味が守られるのだ。社員20人ほどの小さな会社だが、地元の人からの人気は絶大で、おすすめを聞いても「ファロ」という返事が返ってくる。そして、多くのフレンチ・シェフにも愛用されている。

Maille(マイユ)のマスタードは大量生産。

ファロと並んで有名なディジョン発祥のマスタードメーカー、Maille(マイユ)。「え、ディジョン・マスタードと言えばMaille(マイユ)じゃないの?」という人も多いかもしれない。実はマイユは1996年に大手調味料メーカー、アモラと合併、2009にはユニリーバの傘下に入り、今は製造も販売も地域密着ではない。それに、マイユはパリでも買える。(実はパリが本店。)

味は、好みもあると思うが、筆者は断然ファロを押したい。ファロのマスタードは上品。舌を指すようなダイレクトな酸味が無く、まろやかだ。そのためフレーバー・マスタードは素材同士がバランス良く調和して、一段上の調味料になっている。

ボーヌ、ディジョンの店舗

店舗はボーヌ(ディジョンから電車で20~30分)とディジョンに直営店がある。直営店は品揃えが充実していて、いくつかの種類は買う前に試食もできる。名前を聞いただけでは味が想像ができないユニークなフレーバーがたくさんあるので、試食してから好みのものを選ぶのがおすすめ。小瓶のセットなども充実しており、お土産を買うのに最適だ。
時間がある場合はファロ創業の地、ボーヌの店舗に是非立ち寄ってみてほしい。見学コースがあり、昔ながらのマスタード製造を見学、マスタードづくりの体験もできる(定員制限あり)。また、ボーヌの街は美しく、観光目的で訪れる価値もある。
ディジョンの店舗は、多くの店が閉まっている日曜日にも営業しているのが便利だ。
>>アクセスはページ下に記載。

ファロのマスタードは風味も種類も豊か。いくつかを紹介。

ベーシック

すっきりとして爽やかながら、しっかりと辛みがある。どんな料理やソースにも使える王道の一品。ちなみに、ディジョンマスタードと言うと、濾(こ)された滑らかなタイプがスタンダードだが、写真のこちらは濾す前の、マスタードシードが混ざった状態のもの。

ピノ・ノワール

ピノ・ノワールはディジョンのあるブルゴーニュ地方で赤ワイン製造に使われるブドウの品種で。まさに産地を代表する素材を使った特別なマスタードだ。ブドウをふんだんに使っているためか、マスタードとフルーツペーストの間のような味がする。マスタードの味を期待していると最初はすこし驚くかもしれないが、実にクセになる味。ソーセージや豚肉と合わせればいつもと違う味が楽しめること請け合いだ。

柚子

ユズ、そう私たち日本人がお馴染みのあの柚子が、近年フランスでも流行っているのだ。「ディジョンまで来て柚子?」と思うかもしれないが、さすがグルメの国。 爽やかでほろ苦い柚子の香りが、ファロの繊細なマスタードの味と共存して絶品。(マスタードの存在感70パーセント、ユズの存在感30パーセントというところか。)実は筆者の一番のおすすめ。

カシス

ディジョンの名産であるカシスを使ったマスタード。フルーティーで爽やかな味。鮮やかなピンクが新鮮だ。(日本でもカルディーなどの輸入食品店で取り扱いがあり、そのファンシーな見た目から、すでに話題になっている。)

くるみ

フルーツ、爽やか系の味が多いファロのマスタードの中にあって、ナッツのコクで「ガツン」と来る濃厚な味。 ディジョンに住む友人が「くるみマスタードがあって、肉に付けて食べるとすごく美味しい!」と話していただけのことはある。個人的には好みが分かれる味のような気がするので、試食できる店舗の場合は、味見してみることをおすすめする。

エスプレット唐辛子/緑胡椒

「マスタード+香辛料」ってどうなんだろうと思うかもしれないが、食べてみて驚いた。最初は芳醇なマスタードの味が口に広がり、後からピリッと唐辛子の刺激、または爽やかなグリーン・ペッパー(Poivre vert)の辛みがやってくる。お互いを邪魔せずに、マスタードを一段上の辛み調味料に引き上げている。この味を出せるのがファロの神髄。グリーン・ペッパーはリピート決定。

白ワイン、バジル、トリュフ・・・まだまだ他にも個性豊かなマスタードがあるので、是非試してみて欲しい。

どこで買える?安く買うには?

マスタードはフランスでは実にポピュラーな食材で、値段も比較的リーズナブル。ファロのマスタードも小瓶が2~3ユーロ程度で買える。(トリュフ入りなど、素材によってはもう少し値の張るものもある。)
たくさんの種類からお気に入りのフレーバーを選びたい場合は、ディジョン、ボーヌの直営店がおすすめだ。小瓶のセットなども充実していて贈り物やお土産を探すのに丁度いい。見栄えの良いパッケージのものも多い。ちなみに、ボーヌの直営店の方がデジョンの店舗よりも価格が50セント~1ユーロほど安い。
安く買いたいという人にはスーパーマーケットがおすすめ。ディジョンの街の中心にあるモノプリには地域物産のコーナーがあり、直営店よりも安く買える。(品揃えは若干劣るが10種類程度はある。)
ベーシックなマスタードのみでいいから、もっと安く買いたいという人は、他の安売りスーパーに行くと小瓶が1ユーロ(120~130円)ほどの激安価格で売られている。
「贈答用は直営店、自宅用はスーパーで。」など、用途によっていくつかのお店をはしごするのもいい。

パリではギャラリー・ラファイエット、ボンマルシェなど、デパートの食品コーナーに行けば取り扱いがある。(パリでも値段は変わらない。)

日本でも買えるの?・・・YES!

まさに何でも手に入る世の中。ファロのマスタードは、カルディなどの輸入食材を扱っているお店、インターネットでも販売されている。気に入ったマスタードを、帰ってからも気軽に購入できて便利だ。

アクセス

La Moutarderie Edmond Fallot

公式ページ (日本語)
https://www.fallot.com/ja/

★ボーヌ直営店
31 Rue du Faubourg Bretonnière
21200 Beaune
tel : 33 (0)3 80 22 10 10
営業時間
月曜日~土曜日 9:30 – 18:00 (日曜定休)

★ディジョン直営店
16 Rue de la Chouette, 21000 Dijon
毎日営業 10:00 – 19:00
tel : 33 (0)9 54 04 12 62

*営業時間は記事執筆時のものです。変更になることもあるので、念のため公式ページで事前に確認をしてから足を運んでください。

おまけ:マスタードを食べるなら、マスタード・スプーンを使うと便利

ディジョンに行くと、お土産屋さんなどで小さな木製のマスタード用スプーンが販売されている。このスプーンの良いところは、両面が平たく、スプーンとヘラの間のような形をしていて、スプーンを使った時のように、窪みにはまったマスタードが無駄になることがない。しかも木製なので軽くて沈まない。大変便利!
ノーブランドだと小さいもので200円ぐらいで買える。マスタードのお土産に添えるのもいい。(多分、帰国後は海苔の佃煮など、ご飯のお供用のスプーンとしても役立つことだろう。)