フランスで鍵屋を呼んだらボッタクリにあった話

フランス人は家の扉を閉める際、鍵を持って出るようとても注意します。高い鍵屋を呼ぶようなことは絶対に避けたからです。
今回は家に入れなくなった私が鍵屋を呼びボッタクリにあったエピソードをお話しましょう。
みなさん、くれぐれもお気を付けください。

日曜日の昼のゴミ出し。それが悲劇の始まり。

とある日曜日の午前中に家の掃除をして、ごみがたくさん出たので、私は部屋着のままスマホも持たずにアパートの外のゴミ捨て場まで下りて行った。
部屋も綺麗になったし、さて昼ご飯でも食べようか、、、と部屋に入ろうとすると「あれ?鍵が開かない!」
そう、家の内側の鍵穴に合鍵が刺さっており、それに気づかず別の鍵を持って扉を閉めてしまったのだ。鍵穴に鍵が入らない!!!扉が開けられない!

ほぼパジャマ、スマホも持っていない!さあどうする?

ゴミを出すだけのつもりで出たので部屋着のまま、そして一番まずかったのはスマホを持って出なかったこと。スマホさえ持っていれば、インターネットで業者を検索してすぐに連絡ができるが、、、、これでは、どこにどうやって連絡すればいいのかもわからない。「どうしよう、どうしよう。」と頭を抱えた時に一番先に頭に浮かんだのは、いつもポストに入っている業者のチラシ(DM)だ。ポストを探ってみると、、、思った通り!業者の広告が入っていた。
しかも「この広告を見て連絡をした方は10%OFF」と書いてあるではないか。よしよし。不幸中の幸いだな、と風に飛ばされないようにそのハガキを大切に握りしめた。
しかしこのハガキこそが諸悪の根源、地獄への切符だったのである。(タイトルからオチが出ていますが。)

困った時のお隣さん

連絡先は手に入ったが、電話が無いので連絡できない。そういう時に頼りになるのがお隣さん。呼び鈴を鳴らして事情を話すと、気の毒に思って(自業自得なのだが。)快く電話を貸してくれた。電話をするとコールセンターのような場所に繋がり、「すぐに作業員が向かいます」とのこと。―待ってるよぅ!

鍵屋のお兄ちゃん

電話をしてから約40分程外で待っていると(時計が無いので体感だが)。鍵屋のお兄ちゃんが到着した。格好はラフだが普通に親切そうだし、日曜の昼時に来てくれたのはありがたい。
彼は鍵の状態をチェックすると、その場で専用用紙に見積もりを書き始めた。開錠と鍵の交換で、、、、1600ユーロ(約19万円)。
高いと聞いてはいたけれど、せいぜい4~5万円を想像していた私の頭は予想外の金額を聞いて完全にショート。
それを知ってか知らずか、とにかくお兄ちゃんは「大丈夫大丈夫。クレジット・カード付帯の保険で返ってくるからぁ*。」とサインを促す。
「まさかこんなに高いとは、、、。それが相場なのかもしれない、、、。後で返ってくるならまあいいか!こうなったのも全て自業自得だし、、、。」と色々な考えが頭をよぎり、何より早く家に入りたいという思いから、「これでいいんだ、、、これで、、、」と自分に言い聞かせるように見積もりにサインした。

鍵屋のお兄ちゃんのドアの修理は道具も原始的な感じで、結構ワイルド。プラスチックの板を差し込んで、ドアをガンガン蹴って開けていた。(あれが19万円分の技なのか?そうなのか?)
とにかく扉が開いて家に入れたときは「ああよかった。」と安心。お兄ちゃんにお礼を言って代金を支払い(分割払い)、新しい鍵を受け取り、日曜昼間の自宅締め出され劇は終焉を迎えたのでした。

*結局、クレジット・カードの保険が下りることはありませんでした。

高すぎた修理料金

鍵屋のお兄ちゃんが帰った後、インターネットで鍵の修理の相場を調べた私は叫んだ。「やられた!!!!」

今回鍵屋に依頼した内容のサービスの相場が約600ユーロ(7万円ぐらい。それでも高いけれど)。自分が払った料金の3分の1ぐらいではないか。
後日に保険の件で連絡した銀行の人に「うわ!高っ!」と驚かれたし、同じように鍵屋を呼んだことのある周囲の人に聞いても、土曜の夜中のパリの真ん中で1000ユーロというのが最高額だったので (自分はパリ住ではありません。) 1600ユーロというのはちょっとやりすぎではないかと。

祝日週末は料金2倍。怪しすぎる広告。

後になって見て見ると広告は怪しさの塊。

大きく「DMを見せれば10%OFF!」と書いてありますが、基準となる具体的な金額については一切言及されておらず、葉書の端の方に思いっきり小さく「祝日、週末は100%の料金加算。(=つまり2倍になる。)」と注意書きがあります。

そして「見積り、出張無料!」と書いてありますが、これまた端に小さい文字で「ただし無料になるのは、最終的に見積にサインした場合に限る」と注意書きがあるではないですか。怖っ!!
ということは、一回呼んでしまったら最後、見積を見て断っても、見積もり手数料と出張料でいくら吹っ掛けてくるつもりなんです。あぁ恐ろしい。この世に良心というものは存在しないのか。

青白赤、トリコロール基調のハガキに気をつけろ!!

この手の業者のDMにはよく青白赤のトリコロール色が使われているそうです。「フランスの国旗の色=何だかきちんとした業者っぽい」というイメージを与えるためです。
水道屋、鍵屋、電気屋などが、自分たちの電話番号と、公共の警察や消防の番号を併記して「困った時の便利な連絡先一覧」のようなハガキになっていることも多いです。この手の葉書が便利そうな顔をしてポストに入り込み、緊急事態に連絡をするとカモられる訳です。

「トリコロール、ハガキ、詐欺」でgoogle検索をすると注意を喚起する記事がたくさん出てきます。

ぼったくられたのは自己責任。

鍵屋の料金設定が著しく高くても、それは犯罪でもありません*。
こちらも見積もりにサインしている訳なので「泣き寝入り」という言葉を使うのは適当では無いでしょう。己の無知を呪うばかりです。
実際に同じようなケースで弁護士に依頼して代金を取り戻そうとして取り戻せなかった人も居るそうですし、ネット上では同じような目に遭ったという記事もたくさん出てきます。

(*高齢者をターゲットに、数十万、数百万円という法外な金額を請求していたグループはさすがに逮捕されました。)

日頃から鍵屋は高い高いと聞いていたものの、ある日突然自分の身に降りかかる災難だとは思っていなかったので、一般的な相場というものを把握していなかったのです。鍵屋よりも結果的に緊急事態に冷静な判断をできず、カモになってしまった自分に本当に腹が立ちます。
今回の事は高すぎる勉強代、自分への戒めとして今後に生かすことにしましょう。
あー!頭にくる!

おまけ:怪しげな水道屋

鍵屋と並んで悪名高き水道屋ですが、こちらも以前呼んだ事があります。
緊急事態では無かったので、インターネットのプラットフォームで料金の安い業者を探しました。料金は修理の内容ごとに明示されていたので安心!
と、思いきや、、、後日家に来て慣れた手つきでトイレの修理を終えた 水道屋のおじちゃんは、私を呼び「今この部分の修理に使った部品に別途料金がかかる。別に自分はどっちでもいいけどね、払わないならこの部品はまた外して持ってっちゃうから。」と言うではないですか。
せっかく直っているのにまた部品を外されてしまったらたまらないので、「払います払います。」と言って最初のインターネットでの見積もりとは別に部品代に1万円ぐらい払いました。
今から思えば、自分のあの行動は軽率だったのではないか。でもそれ以外にどうしようも無いし。

交換された後の部品は金属では無くプラスチックを銀色に塗っただけのちゃちなものだったし、やはり安いサービスを選んでもその後追加で料金を請求してくるし、別のリスクがあるのかもしれません。

フランスでは鍵屋さんと水道屋さんが家族でもない限り、私たちは延々と高い料金を払わせ続けられるのでは、、、。

と、反省しつつ絶望的な気分になった出来事でした。